愛犬の健康管理のため、これから手作り食を始めてみたいけど、
「人間と全部同じものをあげてもいいの?」
「情報がありすぎて迷う、、、」
「ネギやニンニクは知っているけど、他には何があるの?」
このように感じたことはありませんか?
せっかく手作り食をやってみよう!と思っても、疑問が残ると始められないですよね。
そこで!
こちらの記事ではあらためて犬に与えてはいけない食材をお伝えします。
最後まで読んでいただければ、あなたも愛犬の食材選びがグッと簡単になりますよ!
犬の手作り食のメリット・デメリットを徹底解説!
日本では1960年頃初めてドッグフードが販売されました。ドッグフードは保存性、利便性、栄養バランスの良さから、犬の食事は残飯から一気に主食へと置き換わりました。総合栄養食であるドッグフードと水だけを与えていれば、健康的な生活が送れるといわれてきたためです。
昨今は大手ドッグフードメーカーだけでなく、健康や栄養にも配慮したヒューマングレードなドッグフードも販売され、また健康意識への観点から手作り食を導入する方も多くなり、食や栄養の関心はますます強くなっています。※1
そこで今回は、手作り食のメリットデメリットについてまとめました。
※1 犬の手作り食に興味、関心のある飼主は約75%(当社調べ)
手作り食のメリット
①食いつきがいい
手作り食とドライフードを同時に与えると、多くの犬は先に手作り食を食べます。
食材の味や香りを感じることは犬にとって抜群に美味しいご飯というわけですね!
一方ドライフードは加工製造の過程で食材の香り等が失われるため、食欲を促すため工程の最後に味や風味を添加するケースが多いといわれています。
②自然な食事を与えられる
季節によって野菜や魚など旬なものを取り入れられるのは手作り食の楽しみでもあります。
春は葉物野菜、夏はきゅうりやトマトなどウリ科の野菜、秋や冬は根菜類などいろんなバリエーションが楽しめ、保存料や添加物など除外した安全な食事を与えることができます。
③水分がとれる
手作り食はおじやのような状態から混ぜご飯スタイルまで様々ですが、水分量10%以下のドライフードに比べ、手作り食は約60〜70%のため水分摂取しやすいのと、歯の弱い高齢犬や子犬にも食べやすいご飯です。
④分量や配合の調整ができる
手作り食は糖質を減らしたりタンパク質を増やしたり、犬の状態や調子に合わせて分量や配合を臨機応変に調整できます。
⑤手作り食が犬とのコミュニケーションツールになる
食事を手作りにすることはコストも手間もかかりますが、愛犬が健康的になり、手作り食をよろこび、飼い主への信頼と絆の構築に繋がることはとても嬉しいことですし、犬との生活がより豊かに感じられるメリットはとても大きいものです。
手作り食のデメリット
①コストがかかる
犬は肉食に近い雑食ということもあり人よりも多めのタンパク質が必要で、加えて糖質、野菜とバランスよく構成することが必要ですから、費用がかかります。
犬の大きさ(体重)や必要とする量などあらかじめ考慮しましょう。
ハードルが高いと感じる時は無理をせず、いつものフードにトッピングすることから始めることをおすすめします。
②手間がかかる
犬の食事回数は一日2回〜3回です。
毎日作るのは大変ですから、例えばまとめて数日分を作り置きしたり、冷凍保存を活用するなどして続けやすいリズムを見つけましょう。
作れない時など市販の手作り食を備えておくと、非常時のストックにも使えて便利です。
③栄養面の配慮
総合栄養食といわれるドッグフードはAAFCO(米国飼料検査官協会)のガイドラインを採用し、多くのペットフード企業がこのガイドラインに準じて製造しているため、一定の栄養基準が満たされていると解釈されます。
その基準を手作り食で補う!と考えるととてもハードルが高く感じられるのではないでしょうか。
そんな時はまず、肩の力を抜いてみましょう。
完璧な栄養バランスを考えすぎないようにして食事作りを楽しみましょう。
犬のNG食材まとめ
ここでは犬のNG食材・控える食材についてまとめました。
NG食材
玉ねぎ、ネギ、ニラ、ニンニク、わけぎ、らっきょう
これらの食材は犬にとって中毒症状を起こす成分有機チオ硫酸化合物が含まれており、犬や猫はこの分解酵素を持たないため中毒を起こすといわれています。
また、有機チオ硫酸化合物がもつ酸化作用が赤血球を変性させ、ハインツ小体が形成されます。ハインツ小体をもつ赤血球は壊れやすいため結果的に溶血性貧血やハインツ小体性貧血、血尿など引き起こします。
この有機チオ硫酸化合物は加熱しても消えませんし、煮汁に溶け出しているのでご注意を。
ハンバーグタネ、玉ねぎ入り味噌汁の煮汁や肉じゃがやシチューなど、玉ねぎそのものを取り除くだけではなく、一緒に調理した食材や煮汁もすべて与えないようにしましょう。
アボカド
果肉や種に含まれるペルシンが下痢や嘔吐など消化器症状を起こす可能性があるといわれています。アボカドオイルにも注意しましょう。
また、種は固く消化されません。腸の途中で詰まることもあるので誤食に注意しましょう。
ぶどう、レーズン
腎不全を発症する事例が報告されているので与えないようにしましょう。
生のイカ、生の甲殻類
生のイカやエビに含まれるチアミナーゼがビタミンB1の吸収を阻害します。犬は体内でビタミンB1を生成できないためチアミナーゼによりビタミンB1が破壊され、ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があります。
生の卵白
生の卵白に含まれるアビジンが水溶性ビタミンのビオチンと結合し、腸管からの吸収を阻害するためビオチン欠乏になる可能性があります。加熱するとアビジンは変性するので卵は加熱して与えるようにしましょう。
カフェイン
カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、ココア、チョコレート、エナジードリンクなどに含まれています。
カフェインは中枢神経を刺激して興奮するだけでなく、大量にとると不整脈や痙攣などを起こします。
キシリトール
キシリトールは糖アルコールの一種の人工甘味料です。人では吸収が穏やかな甘味料ですが、犬では過剰にインスリン分泌され低血糖症状から嘔吐や沈うつなど引き起こすといわれています。いちごやカリフラワーなどの野菜や多くの食品にも含まれますが、キシリトールガムなど誤って摂取したケースには注意が必要です。
チョコレート
カカオ豆に含まれるテオブロミンの代謝が遅いため中毒を起こしやすいといわれています。
実際にチョコレート中毒は2月が多く、バレンタインデー中毒ともいわれており、猫より甘いものが好きな犬の方が多いといえます。
またテオブロミンはカカオの苦味成分のため、マイルドチョコレートよりビターチョコレートの方が多く含まれるので注意しましょう。
控える食材
鶏の骨
生食の場合、鶏の骨は消化できるといわれていますが、なかには消化不良を起こすこともあります。噛まずに丸呑みすると食道閉塞を起こすこともあり、サルモネラ感染症のリスクもあるため注意しましょう。
また、加熱した鶏の骨は裂けやすいため胃や腸が傷つくことがあります。
愛犬の食べ方をよく観察して、小さく砕くか圧力鍋で骨が柔らかくする工夫をすることが望ましいでしょう。
牛乳
乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が少なく、下痢を起こす犬には与えないようにしましょう。
マグロ
マグロには様々な環境要因で変換されたメチル水銀が蓄積しており、摂取することで体内に蓄積し中枢神経系の症状が出ることがいわれています。
加工食品
パン、パスタ、うどんなどの小麦製品やハム、ウインナーなどの肉製品などは保存料や添加物、塩分も入っています。
加工食品はなるべく控えましょう。
犬の手作り食を与えた後の観察ポイント
安全な食材を選んでも、犬によってはアレルギーを起こしたり消化吸収が苦手な食材はあります。
初めて与える食材は加熱し、小さくカットしたものを少量ずつ与えて犬の様子を観察することをおすすめします。
何が得意で、何が苦手なのかは消化吸収の状態でも見つけられます。
排便の状態、体重の変動、被毛の状態、元気さはどうか、いつもと違う様子はないかなどよく観察しましょう。
ネガティブな反応がみられた時は、NG食材はなかったか、しっかり加熱できていたか、量は適切だったか、消化しやすい大きさだったかなど見直してみましょう。
消化には個体差もあり、消化がもともとタフな子もいればデリケートな子もいます。
新しい食材を与える際、切り替え時は特に慎重に少しづつおこないましょう。
まとめ
・犬の健康意識への観点から手作り食へのニーズが高まっている。
・手作り食はコストも手間もかかるが、添加物の回避や犬の食いつきなどメリットも多い。
・手作り食に適切な食材を選び、加熱や食材のサイズなど消化吸収に配慮し、観察する。
・新しい食材や切り替え時には特に慎重におこなう。
・手作り食を通して犬との生活を豊かにする時間を楽しむ。
いかがでしたか?
今回は手作り食を始める前に、犬に与えてはいけない食材を中心にまとめました。
愛犬に合う食材を見つけながら、楽しく続けやすい方法をぜひ試してみてくださいね!
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