エモーショナルサポートアニマル「ESA」とは?認定は?制度から課題まで解説します!

エモーショナルサポートアニマルという言葉を聞いたことがありますか?
以前、ハワイの友人と犬連れでレストランに行った際、「この子(犬)はエモーショナルサポートドッグです」と伝えるとすんなり店内に入れた経験があります。

ペット大国アメリカにはエモーショナルサポートアニマルという認定を持った動物がいます。
今回はこのエモーショナルサポートアニマルについてまとめてみました。

目次

エモーショナルサポートアニマルとは?

アメリカの制度でESA:Emotional support animalといい、人の心理的サポートをする動物のことをいいます。

盲導犬や介助犬など特定の作業を行うトレーニングを受けた介助動物(サービスドッグ)とは違い、特別な訓練は必要なく、基本的にペットという立ち位置です。精神的な健康のため、慰め、肯定など感情的なサポートが必要な人のための動物です。

たとえばうつ病や不安神経症などその人の心の安定のために動物が必要と判断された場合、どこにでもどこにでも連れていく事ができます。
ESAが認められるとペット禁止の住居やレストラン、ホテル、飛行機の機内への同伴など一般的にペットが禁止であっても免除することができます。

またESAは犬や猫が一般的ですが、あらゆる種類の動物を対象にする事が可能です。

エモーショナルサポートアニマルの効果

動物による人の感情サポートについて、さまざまな調査や研究から実証されています。
実際に、精神科の医師が患者に対し心の安定のため犬を処方するケースもあるようです。

300人を対象とした2020年の調査においてESA犬を飼った結果では
「生活の質が向上した」
「安心感・独立心・活力が増し、睡眠の質が向上した」との回答がほぼ全員から得られた。”-アメリカ-

“6000人の伴侶動物を持つ人を対象にした調査による研究では
新型コロナウイルス感染症のロックダウンによる心理的影響の一部が軽減されると結論づけた”-イギリス-


さまざまな調査や研究から、動物による人への精神的サポートの利点は大きいことが分かります。

エモーショナルサポートアニマルの認定

特別な訓練もなく、証明のタグやハーネス、特別な衣類も必要でないESAですが、認定には何が必要なのでしょうか?

アメリカの法律においてESAの認定を受けるためには精神科医のレター(処方)が必要になります。
精神科に受診し、医師の診断を受け、レターが発行されるとペットがESAの認定を得られるという仕組みです。
裏を返せば、医師が発行するレターのみでよい、ということになりますね。

各所において認定の証明が求められることもあるようですが、プライバシーの観点からかESAの取得理由について話す必要はなく、聞いてもいけないというルールがあるようです。

エモーショナルサポートアニマルの社会的な5つの課題

ペットとの好ましい関係性は飼い主の健康状態の改善と関連があることはすでに実証されているとはいえ、その頭数は2011年2400頭だったのが2019年には20万頭に急増していることから、一方ではさまざまな課題も挙げられます。

①ESAの社会性
 通常、日本でいう補助犬や介助動物にあるようなトレーニングを受けていないのがESAです。そのため他のサポート 動物に吠えたり、匂いを嗅ぎにいったり、時には威嚇したりと問題行動につながることがあります。

②動物が苦手な人との共存
 動物に対して嫌悪的な感情を持つ人々にとっては精神的苦痛になります。

③あらゆる動物が対象になるリスク
 ESAはすべての動物に適合します。
 一般的には犬や猫ですが、カエルや爬虫類、ワニ、豚、カモなどもあり、動物が苦手な人の精神的苦痛や衛生上の問題、アレルギー発作を含めその他利用者にリスクが生じることが懸念されます。

④簡単に取得できる
 精神科医と対面で行われてきたカウンセリングも昨今はオンラインになりそのプロセスが簡易化されたことで、ESAの認定が取りやすくなったことで頭数が増え、さまざまな懸念材料と飼養者の配慮が求められています。

⑤虚偽がある
 不正に精神科医の証明が入手される詐欺も増えており、厳正な登録やまた動物の種類を限定するなど、認定のプロセスを制定する運動も高まっています。また医療行為をせずに発行した場合や虚偽の申請の場合には厳正に処罰する規定をつくる州も増えています。

日本では?

日本においてESAは認められていません。
日本では「補助犬」が身体障害者補助犬法により公共施設や交通機関、デパート、ホテル、レストランなど自由に同伴できます。
補助犬というのは、介助犬・盲導犬・聴導犬の総称です。
つまり、ペットではなく体の不自由な方の体のサポートのために社会性や特別なトレーニングを身につけ、衛生面もきちんと管理されている犬だけが利用できる、ということです。
公共施設や交通機関は補助犬をやむを得ない理由がない限り拒んではならないと原則としてありますが、実際には入店拒否をされたり、ペット不可のマンションには入居できなかったりと法的権限は確固たるものではないといえます。

まとめ

今回、アメリカにおけるエモーショナルサポートアニマル(ESA)についてご紹介しました。
動物が人に与える精神的サポートは立証されており、また今後も広く周知されさまざまな分野でその役割を担う動物たちの活躍を期待するとともに、一方でペットにも最低限のトレーニングと飼い主のマナーやルールの遵守が今後の課題といえます。

日本においてはまずは責任ある飼い方、そして人とペットが健全な社会生活を送るために必要最低限のトレーニングを受けるなどペットに対する義務を含め飼い主の意識や教育の必要性が挙げられます。まずはその一歩が人とペットの幸せな社会の実現を創っていくのではないでしょうか。

近い将来、ESAが日本においても認められ、本当に心のサポートのため動物を必要とする人に届くことを願います。

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この記事を書いた人

伊藤きみこのアバター 伊藤きみこ 犬の腸活アカデミー主宰

愛犬を3年先もハグする未来ををモットーに活動しています

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