犬の認知症どう防ぐ?症状と対策を徹底解説!

犬の認知症は、「高齢性認知機能不全」または「 認知機能症候群」といいます。
14歳以上で発生率が高くなるといわれており、認知機能が徐々に低下しさまざまな行動障害が見られるようになります。

犬の腸活アカデミーでは、犬の認知症についてその症状と予防、対策についてまとめました。

目次

高齢性認知機能不全の症状5つ

①見当識障害

・環境や居場所が分からなくなる
・仲のいい犬や人を認識できない
・部屋の出入り口を間違える
・ぼんやり立ち尽くす
・こぼした餌を見つけられない、など

②社会的交流の変化

・飼い主の帰宅時のお迎えが減る
・起床時など挨拶が減る
・甘える動作が減る
・飼い主に対する反応が弱くなる、など

③睡眠サイクルの変化

・昼間に寝て夜間に覚醒し、昼夜逆転する
・眠りが浅く、1回の睡眠時間が短くなる

④排泄やトレーニングの変化

・トイレの場所を間違え、分からなくなる
・粗相が増える
・オスワリやフセなど、できていたことができなくなる

⑤活動の変化

・目的もなく落ち着かない
・無気力
・旋回が出る(自分を中心に円を描くような行動)
・角にぶつかると出られなくなる
・攻撃性が出る

犬の認知症の原因

 未だ解明されておらず、現段階で脳の加齢が重度に進行した状態といわれるように、最大の原因は老化と考えられています。
つまり、最大の危険因子は「加齢」とされますが、低品質な食事、続発性てんかん※1があるとリスクが高まるといわれており、一方、散歩や遊び、継続したトレーニングはリスク低下につながるという報告があります。
暑さ、寒さなどの気温、リラックスできない寝場所、不安、排泄できない環境、衛生上の問題、自由に動けないなど生理的欲求が解消されないストレス下も症状が悪化する要因です。
※1脳の病的変化が原因で起こるてんかんのこと

かかりやすい犬種はあるの?

柴犬などの日本犬は洋犬に比べ認知症の発症が多いとの報告があり、遺伝的な背景も考えられていますが、どんな犬種でも関係なく発症します。

治療法はある?

現時点での治療法は残念ながらありません。
環境のケアや食事などで予防と進行を緩和することが治療の目的になります。

運動のケア

運動は身体機能の維持、脳内で過酸化脂質や神経栄養因子を増加させる作用が期待されますので、ぜひ取り入れてみてください。

・散歩
・知育玩具を使ったおもちゃで遊ぶ
・リハビリテーション(筋力トレーニング、バランストレーニングなど)
・コマンドトレーニング
・ボール投げなど犬がよろこぶおもちゃで遊ぶ
・嗅覚を使った探索遊び
・マッサージなど飼い主とのスキンシップ

環境のケア

高齢犬にとって動きやすい生活範囲にしましょう。

・トイレや食事の場所を行きやすくする
・衛生的に保つ
・旋回などがあれば円形サークルにする
・壁に頭をぶつけないようにクッションをつくる
・プレイマットなど滑らない床にする

食事や栄養のケア

食事は質のよいものを選び、食べやすい高さの食事台、底の丸いお皿など食べやすいものにしましょう。

「質のよい食事について」
 犬の腸活アカデミーで考える質のよい食事とは、さまざまな抗酸化物質とエネルギーの産生の場であるミトコンドリアの働きをサポートする栄養が含まれており、かつ消化がよく、高タンパクな食事と考えています。
 そこで参考にしたいフード選びの5つ基準をご紹介します。

  1.食品添加物が少ない
  2.ハーブ由来のものやビタミンなどの酸化防止剤が使用されている
  3.保存期間が短い
  4.プロバイオティクス、プレバイオティクスなど腸内環境に配慮している
  5.糖質が多すぎず、タンパク質が充足している

「栄養について」
臨床治験では具体的な栄養としてビタミンE(750mk/kg以上)、ビタミンC(150mg/kg以上)、セレニウム(0.5-1.3mg/kg)、L-カルニチン(250-750IU/kg)、αリポ酸(100mg/kg以上)、EPA、DHA、ポリフェノール(果物や野菜)を含む食事が見当識障害や睡眠パターン、不適切な排泄や学習障害などで改善がみられたと報告されています。
  
また、CBDオイル※2は老犬の緩和ケアにも注目されており、現在さまざまな論文において効果が報告されています。
※2CBDはヘンプから抽出される天然成分で法律で禁止されている精神活性作用のあるTHCとCBDは全く異なるものです。


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朝に日光浴、日中に散歩や外気浴などの活動を入れ、音や匂いなどの刺激をつくる。

まとめ

犬の認知症の原因について未だ明らかになっていませんが、脳の老化が重度に進行した状態です。

予防や対策として、散歩や遊び、スキンシップやトレーニングなど日常的に継続する刺激や、良質な食事は十分な予防効果があるといえます。
発症した場合には環境を整え、食事の見直しや栄養を取り入れたサプリメントの使用も有効で、CBDオイルは高齢動物の緩和ケアにも近年注目されています。

飼い主と愛犬のスキンシップや友好的な関わりは双方の生活に潤いやよろこびをもたらすだけでなく、認知症リスクも低下します。
適切なサポートと愛情で高齢犬と快適な日々を迎えていただきたいと思います。

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この記事を書いた人

伊藤きみこのアバター 伊藤きみこ 犬の腸活アカデミー主宰

愛犬を3年先もハグする未来ををモットーに活動しています

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