犬の健康維持にも腸内環境が注目されてきています。
本日は腸内環境の乱れといわれるリーキーガットについてまとめました。
リーキーガットとは?
腸管浸漏症候群(Leaky gut syndrome:LGS)と言い、腸の透過性といわれますが医学の正式な用語ではありません。
腸が漏れている状態を表す時に使用されている俗称です。
腸の吸収場所である上皮細胞には、上皮細胞どうしを繋ぐタンパク質である「タイトジャンクション」というバリアが形成されています。
このタイトジャンクションは、病原菌や毒素などの外来異物の侵入を防ぐ重要な役割を担っているのですね!
ところがバリア機能が破綻すると、感染症をはじめ、炎症性腸疾患や未消化物など比較的大きな物質が腸を通過して血液から全身に流れ、アレルギーや胃腸疾患だけでなく、肝臓や膵臓、関節、腫瘍など、さまざまな疾患の疾病の発症に寄与していると考えられています。
つまりリーキーガットとは腸のバリア機能に障害が起こることで、様々な病気や不調を招いてしまう症状のことです。
ではリーキーガットなのかどうかどうやって分かるのでしょうか?
人においては検査もあるのですが、実際に犬や猫の場合、現状では推測で診断されることが多いです。
リーキーガットの原因とは?
では、リーキーガットの原因として考えられていることをまずは見ておきましょう。
・鎮痛剤や抗生物質、ステロイド剤などの過剰投与による腸内細菌の崩壊
・慢性的なストレス
・保存料、乳化剤、着色料などの食品添加物の入った食事やフード
・加工された穀物の残留農薬や添加物などの入った食事やフード
・ビタミン不足、ミネラル不足の食事
・タンパク質(アミノ酸)不足
・酸化ストレス
などが挙げられます。
酸化ストレスは体の中の活性酸素と抗酸化物質のバランスが崩れて、細胞やDNAを傷つける状態で、老化やがん、糖尿病、心血管疾患などさまざまな疾患を引き起こすとされているものです。
つまりリーキーガットを予防するには以上に挙げた原因をなるべく避けるということが前提になります。
リーキーガットを修復するとされる栄養素
ですがこれから修復していきたい場合、どのようにすればよいのでしょうか?
ここではリーキーガットを修復するとされる栄養素についてご紹介します!
①グルタミン
グルタミンはアミノ酸の一種で、腸のバリア機能を強化する栄養素です。
②プロバイオティクス
プロバイオティクス(生きた善玉菌)やプレバイオティクス(オリゴ糖や食物繊維)には、腸内環境を良くし、腸管のバリア機能が向上することが報告されています。
③ビタミンD
ビタミンDは活性型に代謝されると、タイトジャンクションの発現を促すといわれています。
④ビタミンA
ビタミンAは腸の上皮細胞や粘膜を作るのに重要なビタミンです。また、タイトジャンクションの発現にも必要です。
⑤亜鉛
亜鉛はビタミンAとともに、粘膜の形成に携わったり、タイトジャンクションを強くするミネラルです。また、腸に起きた炎症を鎮める作用もあります。
⑥オメガ3(EPA、DHA)
EPAやDHAのオメガ3脂肪酸は、タイトジャンクションの形成に必要です。また、抗炎症作用もあるため、腸の炎症を抑える働きもあります。
⑦ハーブサプリメント
CBDオイルやクルクミンなど腸の炎症を抑えるのに期待できるハーブサプリメントがあります。
⑧消化酵素をとる
タンパク質、脂質、炭水化物を分解する消化酵素はタンパク質からできています。消化酵素で腸の消化吸収をサポートすることができます。
いかがですか?
このように腸粘膜や腸内環境の修復に役立つ栄養素をぜひ知っておいてくださいね!
腸内の乱れからくる体のサイン
では腸内環境の乱れやリーキーガットになると具体的にどのような病気や症状になるのでしょうか。
・皮膚疾患
・口腔内疾患
・消化器疾患
・腎臓疾患
・心疾患
・関節炎
・肥満
・アレルギー
・自己免疫疾患
・肝炎
・膵炎
・糖尿病
・攻撃性や不安症など
実にたくさんあります。
このように一見、腸とは関係なく思われますが、全身状態と深く関連していますね。
腸の健康状態は全身の健康状態との関係があることを頭の隅においておくとよいと思います!
まとめ
いかがでしたか?
腸はさまざまな病気と深い関わりがあることが分かりますね。
逆にいえば、腸を健康にすることはさまざまな病気を未然に防ぐことでもあります。
単に胃腸が悪いですまさずに、腸内環境を整えていつまでも愛犬が健康で過ごせることを心から願っています!
***お知らせ***
あなたも愛犬の長生きを食事と栄養で叶えませんか?
愛犬がシニアになっても健康でいてくれること、それが私たち飼い主の喜びであり幸せです。
健康を守り、愛犬とあなたが幸せになるペット栄養講座は2024年9月生募集中です!
コメント